不動産相続で知っておきたい空家処分とインスペクションの流れ

親や親族の不動産を相続した際、「家はあるけれど誰も住む予定がない」というケースは少なくありません。放置された空家は、老朽化や近隣トラブル、維持費の負担など多くの問題を引き起こす可能性があります。
こうしたトラブルを避け、空家をうまく活用・処分するには、相続登記インスペクション(建物調査)など、適切な手順を踏むことが重要です。

今回は、不動産相続、空家処分、空家売却、インスペクション、相続登記に関する基本的な流れを、わかりやすくご紹介します。

 

 

1. 最初のステップは「相続登記」

不動産を相続したら、まず行うべきは「相続登記」です。これは、亡くなった方から相続人へ不動産の名義を移す手続きで、2024年4月からは義務化されました。登記を怠ると、最大10万円の過料が科される可能性があります。

手続きには、戸籍謄本や遺産分割協議書、住民票などの書類が必要です。この登記を完了させて初めて、不動産を「処分・売却できる状態」にできます。

 

2. 空家の状態を把握する「インスペクション」

登記が終わったら、次は空家の現状確認です。長く使われていない建物には、見えない劣化や損傷が潜んでいることがあります。
そこで活用されるのが、インスペクション(建物状況調査)です。建築士などの専門家が以下の点を調査します。

  • 屋根や外壁のひび割れや雨漏り
  • 床や壁の傾き、構造的な不安箇所
  • 水回り・電気設備の不具合
  • シロアリやカビの有無

この調査結果により、「修繕すべきか」「更地にすべきか」の判断がしやすくなります。

 

3. 処分か売却か?目的に応じた選択を

インスペクションの結果や相続人の意向をもとに、今後の方向性を決めましょう。空家の扱いは大きく以下の3つに分かれます。

  • 維持し将来的に活用する
  • 老朽化が進んでいれば解体する
  • 不動産として売却する 

最近は、古家付きの物件として販売されるケースも増えており、状態が良ければリフォーム前提で買主が見つかることもあります。

 

4. 空家売却を成功させるためのポイント

売却を進める際は、以下のような準備が効果的です。

  • 建物・敷地の清掃
  • 最低限の補修を検討
  • インスペクションの結果を買主に提示 

こうした取り組みは、物件への信頼感を高め、交渉を有利に進めるうえで役立ちます。

 

5. 放置リスクを避け、資産価値を守る

空家を長期間放置すると、劣化が進み売却が困難になることもあります。さらに「特定空家」に指定されると、税優遇が失われたり行政指導の対象になる場合もあるため、早期の対応が望まれます。

 

まとめ:空家の処分は計画的に進めよう

不動産相続で空家を引き継いだら、まずは相続登記を行い、インスペクションで建物の状態を把握しましょう。
そのうえで、維持・売却・解体などの方針を検討すれば、将来的なトラブルも回避できます。

何から手をつければいいかわからないという方は、信頼できる不動産会社に相談するのが最初の一歩です。状況に応じた最適な対応策をご提案いたします。