不動産相続にまつわる費用について

不動産の相続にはさまざまな手続きが必要になりますが、「どれくらい費用がかかるのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は不動産相続にまつわる費用について解説します。

 

 

■不動産の相続でかかる費用

不動産を相続すると、相続登記(所有者の名義変更)を行わなくてはなりません。その際に戸籍謄本や住民票、印鑑証明書や登記事項証明書などさまざまな書類が必要になります。
それぞれの取得費用は数百円ですが、相続する不動産や相続人が多ければそれだけ必要書類が増え、取得費用もかかることになります。
また、相続の手続きは複雑で時間と手間がかかることも少なくありません。そのため、司法書士などの専門家に手続きの代行を依頼するのが一般的です。報酬は専門家の業種や地域、依頼内容によって多少異なりますが、6~10万円程度が相場といわれています。

 

■不動産の相続でかかる税金

不動産の相続時にはさまざまな税金が発生します。金額も大きくなりやすいので、事前に把握しておきましょう。

・相続税

相続税はその名の通り、故人から財産を相続した際にかかる税金です。不動産だけでなく、預貯金や株式などを含めた総財産が対象となります。
不動産の評価額は、路線価や固定資産税評価額を用いて算出されます。相続税には基礎控除があり、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」で計算できます。例えば、故人の配偶者と2人の子どもで法定相続人が3人いる場合は、3,000万円+600万円×3=4,800万円が基礎控除額となります。
基礎控除以外にも相続税で利用できる控除や特例がいくつかあるので、適用できるか調べてみると良いでしょう。実際に不動産を相続した方の中でも、相続税を課税された方の割合はそう多くはありません。
相続税の納付期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。

・登録免許税

先述したように、不動産を相続したら相続登記(所有者の名義変更)が必要であり、2024(令和6)年4月1日より義務化されました。登録免許税はその相続登記の際にかかる税金です。
登録免許税は「固定資産税評価額×0.4%」で計算できます。
固定資産税評価額が2,000万円の土地を相続した場合の登録免許税額は、2,000万円×0.4%=8万円となります。法定相続人以外が遺贈によって不動産を取得した場合は、税率が2%となるため注意が必要です。

 

不動産の相続にまつわる費用について解説しましたが、不動産の所有には固定資産税や都市計画税などの税金がかかることも軽視できません。不動産の評価額が高いと税金も高額になる可能性があり、それぞれに納付期限も決まっています。
金銭的な負担を軽減するためにも、相続で利用できる控除や特例を確認すると良いでしょう。