マイホームの購入や実家の相続など不動産を所有する際は、所有者を明確にするため登記を行う必要があります。一つの不動産を複数人で所有する場合は「共有名義」となります。今回はこの「共有名義」について解説します。
■不動産の共有名義とは
「共有名義」とは、不動産の所有権を複数の人で“共有”することです。「共同名義」と呼ばれることもあり、それに対し不動産の所有者が一人のときは「単独名義」といいます。一つの不動産、特に建物は複数人で分割することは物理的に難しいため、所有者それぞれの持分割合を決める必要があります。例えば、親が所有していた不動産を三人の子の共同名義とし、それぞれ1/3ずつの持分としたり、夫婦で購入した不動産を二人の共同名義とし、それぞれの持分を1/2とする、といったケースがあります。
■共有名義のメリット
不動産を共有名義にすることで、次のようなメリットが考えられます。
・それぞれの名義人が住宅ローン控除を受けることができる
住宅を購入するとき、住宅ローンを利用する方も多いと思います。住宅は金額が大きいので、税負担を軽減するため住宅ローンに対する特別控除制度が設けられています。一定の要件を満たせば、年末のローン残高に応じて所得税や住民税が最長で13年間減税される制度であり、共有名義では、共有者それぞれがこの控除を受けることができます。
・税負担が分割できる
不動産を所有すると固定資産税が発生します。固定資産税は所有者が負担するので、所有者が複数人いれば分割でき、一人ひとりの負担を減らすことができます。不動産を相続した際にかかる相続税も、自分の持分のみが課税対象となり、税負担の軽減に繋がるでしょう。
■共有名義の注意点
不動産を共有名義とする際、注意すべき点もあります。
・不動産を活用するためには共有者の同意が必要
共有名義は単独での所有と異なり、共有者の一人が「不動産を売りたい」と思っても、ほかの共有車の同意がなければ売却することはできません。賃貸やリフォームなど、不動産の活用方法においても基本的に共有者の同意が必要となります。
・権利関係が複雑になりやすい
不動産の共有者が亡くなった場合、その持分は相続されます。相続人が複数いれば共有者が増えることになり、権利関係がより複雑化する可能性もあります。共有者が増えればその分意見の相違があったり、連絡を取ることさえ難しい状況も考えられるでしょう。
不動産の共有名義は、さまざまな側面があります。それぞれの状況やライフプランによっては、メリットを感じられないことも否定できません。共有者同士で十分に話し合うことが大切です。
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