成年後見人制度の活用に必要な書類を解説

成年後見人制度を活用するためには、家庭裁判所への申立てを行う必要があります。弁護士などの専門家に依頼する方が多いのですが、自分で手続きを行うこともできます。今回は成年後見人制度の手続きに必要な書類を解説します。

成年後見人制度の手続きに必要な書類は、主に次のようなものがあります。取得先がそれぞれ異なるので、ある程度の手間と時間がかかることも念頭に置いておきましょう。

・申立書類一式

各家庭裁判所によって書類や様式が異なりますが、申立書類一式には後見開始等申立書、申立事情説明書、親族関係図、親族の意見書、後見人等候補者事情説明書、財産目録、収支予定表などがあります。成年後見人制度の活用により支援を受ける本人の情報や申立てを行う理由、親族の意向や後見人候補者の情報など、確認しながら正確に記入しましょう。申立書類一式は、各家庭裁判所の窓口もしくはHPから入手できます。

・診断書

支援を受ける方の心身状態を正しく判断するため、医師の診断書の提出が必要です。通常の診断書ではなく、成年後見人申立て専用の用紙があるので注意しましょう。こちらも各家庭裁判所の窓口もしくはHPから入手できます。

・戸籍謄本や住民票

本人や後見人候補者、本人以外が申立てを行う場合はその方の戸籍謄本や住民票の提出が求められます。住所地の履歴が記載された戸籍の附票が必要なこともあります。本籍または住所地のある市区町村役場から取り寄せることができますが、やや日数がかかることは考えておきましょう。コンビニでの交付に対応している市区町村役場も多いので、HPなどで確認するといいですね。

・登記されていないことの証明書

登記の証明書ではなく、登記されていないことの証明書というのはイメージしにくいかもしれませんが、現時点で成年後見人制度を活用していないという証明書になります。成年後見人制度の審判が確定すると、裁判所から法務局に情報が送られ登記されます。そのため、登記されていないことの証明書は、法務局によって発行されます。全国の法務局・地方法務局で取得できますが、支局・出張所では取り扱っていないため注意が必要です。東京法務局では郵送も対応しています。ちなみに登記の証明書も法務局で取得でき、不動産売買の際などに必要なこともあるため、併せて覚えておくと良いでしょう。

成年後見人制度の手続きには数か月かかることも少なくありません。各家庭裁判所によって必要な書類が異なることもあるため、成年後見人制度の活用を検討する際は事前に申立てを行う家庭裁判所のHPなどを確認しておくことが大切です。必要書類を知っておけば、専門家に依頼するにしても自分で手続きを行うにしても、スムーズに進めることができるでしょう。