家は購入するべきか…それとも賃貸で住み続けるべきか(前編)

家は購入するべきか、それとも賃貸で住み続けるべきか。このテーマは多くの人が議論を続けています。そこでここでは、購入することで得られるメリット、賃貸に住むことで得られるメリットを比較しながら、どちらの方が最終的に経済的なメリットがあるかを考えてみましょう。

1.自宅購入派のメリットとデメリット

まず自宅購入派のメリットです。自宅購入をすればローンを完済した時点で自分の資産になるので、毎月の家賃が不要になります。またローンを完済すれば、自宅を売却して住み替えることもできますし、家の建て替えも可能です。
毎月住宅ローンを支払わなければいけませんが、住居費はどこに住んでも必ず必要ですし、支払った見返りとして、自宅を自分のものにできるメリットがあるのです。
その一方でデメリットも存在しています。まず簡単に住み替えができません。賃貸であれば契約を解除すれば、すぐに転居できますが、一度購入した家は、売却するまで新居への引っ越しは難しいです。また支払ったお金が無駄にならないと言っても、支払い総額の大半が金融機関に支払う金利になることもあります。さらに固定資産税などの税金も、発生します。

2.自宅賃貸派のメリットとデメリット

次は自宅を賃貸で済ませようという人の、メリットとデメリットです。賃貸派のメリットは住み替えが容易である点です。周辺の人間関係が煩わしい、転勤になってしまった場合でも、気分で簡単に住み替えできます。住宅ローンという束縛がない人生を送ることができます。また固定資産税も発生しないので、住居費をとにかく安く済ませたい人は、賃貸の方が向いています。
その一方で、定収入が途絶えた時のリスクが大きいです。会社員を60歳で退職し、年金がもらえるようになるまでの期間も変わらず住居費は必ず発生します。その間の収入をどうするのか、また年金があてにならなくなってきている現在、80歳90歳と長生きした時に家賃を支払い続けるだけの経済力を持てるのかが、リスクになってきます。
賃貸派の方にとっては、長生きすることがリスクになってしまうのです。

3.購入した自宅は将来資産になる?

住宅ローンを利用して物件を買おうという人は、35年の住宅ローンを借りる人が多いです。そのため毎月の住居費自体は、賃貸派でも購入派でも、それほど大きな差はないと考えられます。問題は定年退職した後です。順調に住宅ローンを返済し終われば、購入派は不動産を所有することができるので住居費が一気に下がります。
ただし、居住している不動産に資産価値がなくなると売ることもできず、不便な場所に済み続けなくてはいけなくなることもあります。
ポイントとして、資産価値の落ちない場所に不動産を購入することが大変重要です。そうすれば家や土地を貸して自分たちは他の場所に住むこともできますし、売ってお金に変えることもできます。
賃貸派は現役世代に居住費を抑え、老後の生活費を貯めておかないと不安が大きくなります。逆に所得に余裕があれば敢えて定住せず、気分でマンションを住み替えていくというプランも取れるのです。