TATERU問題を考える

近年ニュースになっている不動産の不適切融資問題にスルガ銀行のシェアハウスかぼちゃの馬車への不適切融資があります。そして、TATERU問題も発覚しました。

 

TATERUとは東証1部上場会社で主に投資用のアパート販売を行う不動産会社です。近年の売り上げ推移は数倍になっており、急成長を遂げている企業になります。有名なサッカー選手である本田圭祐選手がCMに出演しています。ビジネスモデルはインターネット(IoT)を通じて、アプリ内でアパート経営を一元管理できるというものです。

TATERU問題が発覚したのは日経新聞のニュースです。内容はTATERUがアパート購入予定者の預金通帳を水増し改ざんし、銀行の融資の申請をしていたという内容です。具体的な金額としては23万円の貯金残高の桁を一桁増やして、623万円に水増しされていたとのことです。この方は名古屋市内で木造3階建ての全9戸のアパート土地および建物込みで全額約1億1000万円という金額のアパートを紹介されていたそうです。23万円しか貯金がないのに銀行から融資がおりたことに不信感を抱き、直接銀行に問い合わせて問題が発覚しました。すぐにTATERUは不正を認めたが全貌が解明されるのにはかなり時間がかかりそうです。

 

この問題の悪いところは、貯金通帳の水増し改ざんも、本人が知らないところで改ざんされ、申請書類が銀行に提出されているという点です。本来であれば、融資が通らない者もアパートを購入できるようにしてしまうということです。そもそも融資はお金を借りる側が返済可能という観点のもとから行うものであって、その審査基準の一つとなる貯金通帳の残高を不正に改ざんするというのは非常に悪質です。他にも強引な販売方法に関しても問題点は多いと感じます。

 

基本的にアパート経営の売り文句としてはやはり利回りだと思います。夢の賃貸収入に惹かれ、多額の借金を背負うことになり、将来的に採算が取れなくなったら地獄の賃貸収入になってしまいます。ハイリスクで多額の借金を背負い、目標の利回りも稼げなくなってしまった場合、不動産所得税や固定資産税も払えなくなってしまいます。そうなるともはや破産予備軍になってしまいます。甘い言葉に騙されず、しっかりと物事を見極め、自己防衛をしなくてはならないと感じます。

 

最後にTATERUの決算書が公表されています。それによると売り上げ全体の9割以上を占めるアパートの成約数が255件から45件へと激減しています。これは非常に厳しい数字となっています。今後の経営に大きな影響を及ぼすものと考えられます。