地震への対策!免震、耐震、制震の違いとは

日本は世界有数の地震大国であり、21世紀に入ってからも2度の震度7以上の地震に襲われています。先日は日本第二の都市である大阪で震度6弱の地震が発生。死者が複数出るなど、大きな被害に見舞われています。地震の発生時の被害を抑えるには建物の耐震性も重要となってきます。そんな日本では戸建て、マンション共にそれぞれ特徴のある構造を盛り込み、地震への対策を行っています。では具体的に日本の住宅はどのような構造を用いて地震対策を行っているのでしょうか。

1.免震構造とは

大規模なタワーマンションなどで用いられているのが、免震構造です。免震構造は建物の躯体と基礎の間に免震装置を設置し、そもそもの揺れを建物に伝えないようにしています。そのため地震が起きても揺れが発生しにくく、躯体へのダメージも、室内の揺れも小さいです。ただし定期的なメンテナンスを行わなければいけないので、維持費の面では最も高額になるでしょう。

 

2.耐震構造とは

一般の戸建てに使われていることが多いのは耐震構造です。とにかく建物の柱や梁を多く設置し、建物自体の揺れに対する強度を確保しています。現在の耐震基準であれば震度7でも崩壊せずに、住人が避難する十分な時間を稼ぐことが可能です。ただし揺れ自体を抑える仕組みではありません。

 

3.制震構造とは

制震構造とは建物に伝わる揺れを吸収する装置を建物内部に設置し、揺れが発生しにくくする構造となっています。マンションなど高い建物は、どうしても上層階に行くほど揺れが強くなってしまい、家具の倒壊などの被害が発生します。しかし制震構造の建物であれば、上層階でも揺れを抑えることが可能です。躯体の中に装置を組み込んでおり、メンテナンスも特に必要ありません。

 

4.最も揺れが少ないのは免震構造。普及しているのは耐震構造

この3つの中で最も揺れの影響が少なく、躯体と室内への被害を抑えられるのは免震構造です。ただ建築費も高額になるので、一般の戸建てに使われることはあまりありません。もちろん費用をかければ戸建ても免震装置リフォームは可能です。
マンションはRC造であるため、元々耐震構造と言えるものが多いですが、それに加えて免震・制震構造を取り入れているものが多くなっています。
中には免震と制震の両方を備えている非常に地震に強いマンションもあるので、マンションを選ぶときには、地震への備えをどうしているかを聞いてみましょう。